




日本の人口は平成17年ついに出生数よりも死亡者数が上回り、厚生労働省が平成30年12月21日に発表した「人口動態統計の年間推計」によりますと、同年の出生数が921,000人に対して死亡者数が1,369,000人と、単純計算で1年辺り40万人以上も人口が減っていることが分かります。
葬儀社の数は年々増加しており、延いては詐欺やぼったくりといった悪質な葬儀社も増えてきてしまっている現状があります。
利益はどのようにして生まれているのか、悪徳業者の手口などの「葬儀業界の仕組み」「利用にあたって注意すべきポイント」について解説したいと思います。
葬儀社という言葉にははっきりとした定義がありませんが、基本的には「葬儀を取り仕切る会社(葬祭専門業者)」を指していると考えていただいて差し支えありません。
※広い意味を含めると「仏具やお墓の販売業者」「互助会」「農協(虹のホール・ルミエール等)」も葬儀社にあたる場合もあります。
日本では葬儀社に対して特別な許可や認可を求めておりませんので、誰でも簡単に参入できるという特徴があり、現在では大小含め5千社に近い葬儀社が存在すると言われています。
葬儀社は、納棺や葬儀の進行をはじめ、斎場・火葬場の手配、棺の準備、エンバーミング、供物・供花の用意、移動の際の車(霊柩車・バス等)の手配、飲食の世話(お弁当や飲み物の仕出し)等を行っています。
また、葬儀後のアフターケア(会葬礼状の提案の用意や返礼品の手配等)も行っており、葬儀社を通さずにお葬式を挙げることはほぼ無いと言っても過言ではありません。
「一般財団法人日本消費者協会」のアンケート調査によると、葬儀費用の平均は121万円という結果になりました。
仮にこのアンケート結果が真実だとしますと、年間130万人以上の方が亡くなっている日本では「121万円×1,369,000人=1兆6564億円」という驚きの規模となっています。
さらに、読経・戒名・納骨等を合わせますと寺院に30~50万円のお布施をお渡ししますし、親族や参列者との飲食費用等も掛かりますので、これらを合わせますと2兆円を超える一大マーケットとなっているのです。
100万円を超える高額な支払いも多いお葬式ですが、実は葬儀社自体の利益率はさほど高くなく、葬儀社の直接の利益となるのは「基本料金」のみであり、供花や棺の代金では利益はほとんど得られません。
つまり、100万円の料金に対し葬儀社は10~40万円ほどの利益しか得られず、古くからある地域密着型の葬儀社の場合ですと、大手との価格競争に負け、会社を畳むケースも多く見られます。
そんな中、サービスの質が悪い上に葬儀費用もボッタクリ価格という悪質な葬儀社も存在します。
前述した通り、葬儀事業を開始するのに特別な許可や資格はいりませんので、現状ですと「誰でも始めることが可能」であり、悪徳業者の温床となりやすいのです。
5,000社を超えると言われる葬儀社の中でもほんの一握りの業者ではありますが、年間数百件もの相談が寄せられていることを考えると、決して他人ごととは言えません。
サービスの内容や利用者の口コミをしっかりと確認する、見積りの内訳を記載して貰う等の対策を必ず行うようにしてください。
具体的には、以下のようなトラブルが多く報告されています。
の3つは特に多い料金トラブルです。
①は、葬儀費用を口頭のみで説明されたため、費用の内訳が不明確というトラブルです。同様のケースですと、見積りを求めても拒否されてしまう、料金表を見せて貰えないといった事例も報告されています。
②は、はじめに説明された金額と請求された金額に大きな差があるケースです。葬儀社側の言い分としては「追加でサービスを求められた」ということですが、ユーザー側には全く身に覚えがないというケースも多く、度々問題視されています。
③は「会員の場合は50%オフになる」などと謳い、高額な入会費を請求する手口です。条件を付けることでお得に感じさせ、最終的には通常価格よりも高い支払となってしまいます。
葬儀社をはじめとして、寺院・墓石販売店は人の「死」に携わる仕事として密接な関係にあり、それぞれが独立した事業ではあるものの切っても切れない関係にあると言えます。
人が亡くなった時、はじめに相談を受ける事が多いのは「葬儀社」が圧倒的であり、葬儀の打ち合わせの中で寺院や墓石販売店等も併せて紹介してもらうケースが非常に多いと考えられます。
もちろん、紹介してもらうだけなのであれば問題ありませんが、葬儀代金の中に「紹介料」と称し別途費用を請求する葬儀社も少なくありません。
さらに、悪徳葬儀社の場合ですと寺院からもバックマージンを得ていたり、希望する宗派のとは違う寺院に依頼したりといった悪質な営業を行っているケースもあるようです。
葬儀費用が安かったとしても、その葬儀社が優良企業であるとは限りません。
人が亡くなった時に真っ先に相談を受けることが多い葬儀社は、お金には代えられない「個人情報」を持っています。
など、お葬式では多くの人が係わることになります。
人が亡くなった際には多くのビジネスチャンスが生まれるのが現実で、これらの企業にとって遺族の情報は非常に貴重であり、延いては当該情報を握っている葬儀社はとても重要な立場と言えます。
中にはこの立場を利用し、遺族の個人情報を悪用する企業も多く存在しているのです。
互助会とは冠婚葬祭にかかる費用を積み立てるサービスのことです。
毎月決められた掛け金を積み立てることで各儀式のときにサービスを提供してもらえるシステムになっており、経済産業大臣指定の審査のもとに運営がされているため一見安全性も高く利用する価値がありそうに思えます。
しかし、冠婚葬祭の費用が割引価格で利用できる一方で、営業マンに無理矢理加入させられた、解約金が高額だった(最大で積立金の2割)、互助会が倒産してしまった等、トラブルも多く存在しています。
2013年からは経済産業省が消費者庁・消費者団体・業界団体などと「冠婚葬祭の解約手数料のあり方等に係る研究会」を発足し互助会の苦情やそれに対する対応等を報告書にまとめています。
現在は病院で8割の方が最後を迎えていると言われています。
病院で亡くなった場合、ご遺体は院内の慰安所に保管されますが数時間しか利用することはできません。
早いうちに搬送をしなくてはいけませんので葬儀社が決まっていない場合は病院から紹介を受けるケースもあります。
病院からの紹介で葬儀社を利用した場合、比較する時間が無いため、通常よりも割高になるケースがほとんどです。
病院に紹介された葬儀社を何も考えずに選択肢「もっと選べばよかった」と後悔する声は多く聞かれます。

悪徳葬儀社の被害に遭わない為にも、以下は必ず講じましょう。
対策1~相場を知る、費用明細を確認する
対策2~信頼性・料金をしっかりと比較
対策3~運営実績のある葬儀社を選ぶ
適正価格が分からないというのは、葬儀ならではの特徴です。
野菜・お肉・魚・その他日用品等の身近なものであれば大体の目安が分かりますが、一生に数度しかない葬儀に於いては中々イメージが湧かないかと思います。
インターネットで「その時の相場」を適宜確認するようにしましょう。
また、葬儀プランが多様化したことにより、各葬儀社ではそれぞれ得意な分野が確立されています。
例えば、一般葬でしたらA社が安い、家族葬ならB社の方がお得、C社はオーダープランに長けている、といった形です。
大まかなプランをしっかりと定め、葬儀社を3~5社程度まで絞り込み、必ず見積りを取るようにしてください。
もちろん、費用明細で内訳をチェックすることも大切です。
小規模な葬儀社がNGというわけではありませんが、新しく事業をはじめたばかりですとサービスの質が悪く、料金も割高になりやすい傾向にあります。
信頼性の高い地元の葬儀社にお願いするのももちろん問題ありませんが、当該葬儀社のみよりも多数の葬儀社に相談した方がプラン・料金等の選択肢がさらに広がります。
悪質業者の手口を知り、予め被害を回避するのも重要ですが、複数社に見積りを依頼すること・比較することが予防法としては最も有効と言えるでしょう。